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「寝入り端」・「就寝中」・「起床後」の3拍子
本当に良質なものは目覚めた後わかる
凄く美味しいラーメンだったのに、後味が悪かったり、何故か二度とそのお店に足が向かわなかったり…。そんな経験をしたことはありませんか?
これは恐らく、化学調味料をふんだんに使ったラーメン。
今から何十年も前の話、NHKの番組で3種類のラーメンを被検者に食べてもらいどれが美味しいと思うかという実験を行っていました。
3種類のラーメンとは、①天然素材でつくられたスープ ②天然素材+化学調味料からつくられたスープ ③化学調味料のみでつくったラーメンの3種類。
結果は大方の予想を覆す結果となりました。
一番美味しいと人気があったのは③の化学調味料スープのラーメン、二番人気は②の天然素材+化学調味料のスープ、意外なことに①の天然素材からつくられたスープは最も人気が低かったのです。
化学調味料が使われたラーメンはインパクトがあって食べているとき、美味しく感じますが、だんだんその味が「あざとく」なり、後味が悪く、不思議と足が向かわなくなったりします。
本当に美味しいラーメンは、食べているときは少し物足りないくらい、後味が良く、また足を運びたくなるもの。
僕はこれを「3拍子揃ったラーメン」と命名していますが、これを寝具で言えば、「寝入り端」・「就寝中」・「起床時」の3拍子となります。
天然素材でつくられたダシが少し物足りないように、天然素材の寝具は、アクリル毛布や電位式の寝具のように寝床に入った途端、如実にわかるわけではありません。寝床に入って自分の体温が寝具にじわじわと伝わって快適な状態となり、その後、就寝中の寝床の中の環境を最適な状態に保ち、目覚めた後、その良さを理解できるものです。
人間というものはついラクしたがるので、寝床に入った瞬間の心地良さを求めてしまいます。また、眠るまでは意識があるので、どうしても眠るまでの印象が残りやすいんですが、「寝床に入った瞬間の心地良さ=快眠」ではないんです。
食べ物も寝具も、天然素材からつくられた良質なものは、インパクトこそありませんが食べた後、目覚めた後になってわかります。
体にいいと判断し、理解するまでに、少しの時間が掛かるということです。