眠りは天邪鬼なやつ…

ビートルズの『GOLDEN SLUMBERS』（ゴールデンスランバー）というナンバーをご存知でしょうか？

 『Abbey road』に収録されているこの美しい楽曲の意味を知ったのは、まだ高校生の頃。ライナーノーツの日本語訳に記載されていた「黄金の微睡」（まどろみ）という言葉に魅惑的な響きを感じたものでした。

 覚醒と眠りの狭間にあるこの至福の時間は、大抵、眠ってはいけないと抗いながら寝落ちすることで訪れ、「眠ろう」と頑張ってしまうとやってきません。

そう、眠りは、「眠ろう」と努めるほど逃げ去り、「眠ってはいけない」と思うほど近づいて来るとても天邪鬼なやつ、その性質を理解していないと、眠るためのあらゆる努力は徒労に終わってしまいます。

「黄金の微睡行」の乗車券は、眠りに「抗う」ことで手に入ります。

店主/たかむら