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羽毛ふとんの使い方のコツ 「垂れ下げ」て掛けないで!

羽毛ふとんを最大限に活かす使い方
「羽毛ふとんがどうも寒い」
「思ってたより重く感じる」
そういうご相談が時々あります。
原因が製品そのものにある場合もありますが、ちょっとした使い方のコツで大きく使い勝手が改善するのでご紹介します。
そもそも、一般的なベッド(もしくは敷ふとん)のサイズはシングルで100×200㎝(あるいは210㎝)。
それに対し羽毛ふとんのサイズは150×210㎝と敷寝具より大きくつくられています。そのため普通に掛けると、両サイド25㎝づつ、足元は身長が短くなるほど、羽毛ふとんが垂れ下ってしまい、そのことからデメリットが生じます。
羽毛ふとんをベッドから「垂れ下げ」て掛けると起こる3つのデメリット
デメリット1:保温力の低下
ふとんが垂れ下がると、ふとんとベッドの間に、少なからず隙間ができ、ここから冷たい「隙間風」がスースーと侵入、ふとんの中にせっかく溜めた暖かさが逃げやすくなります。これが「羽毛ふとんなのに寒い」と感じる一つの要因です。
デメリット2:重みを感じて「寝苦しさ」が増す
ふとんの重さは、垂れ下がっている部分にもかかっています。この垂れ下がった重さが、就寝時に肩や胸に余計な「圧」としてかかり、実際の重さ以上に重く感じたり、寝返りが打ちにくくなったり、寝苦しさにつながることがあります。
デメリット3:大切なダウンの「片寄り」の原因に
特に羽毛ふとんにとって致命的なのがこの問題。垂れ下がった部分の羽毛(ダウン)は、重力により下側に片寄りやすくなります。ダウンの片寄りが進むと、ふとんの中で羽毛が移動してしまい、羽毛ふとん本来の膨らみ(かさ高)、保温性が低下、結果としてふとんの寿命を縮めてしまうことにつながります。
解決策は、羽毛ふとんを「敷寝具の範囲内」に収めるだけ
これらの問題を解消する正しい掛け方はとてもシンプルです。
それは、羽毛ふとんをベッドマットレスや敷ふとんの「範囲内」に収めて掛けること。
具体的には、両サイドや足元をマットレスの範囲内に合わせて内側に折り込むように掛けます。一旦、寝床に入って手足を上げてふとんを高く持ち上げた後、下せば、自然にベッドから垂れないように収まります。
こうすることで、ふとんの端が敷寝具の上に収まり、ふとんの中に暖かい空気を閉じ込める「ポケット」のような状態を作り出すことができます。
正しい掛け方で得られる3つのメリット
メリット1:圧倒的に「あたたかい」
内側に折り込むことで隙間風をシャットアウト。ふとんの中の暖かい空気をしっかりとキープ、羽毛ふとん本来の保温力を最大限に引き出します。
メリット2:重さの軽減され「軽い」
折り込んだ部分が適度な「自立」を生み出し、垂れ下がっていた時のような余計な重みや圧力がかからなくなり、これにより、ふとんがフワッと身体を包み込んで、重みが軽減、寝返りもしやすくなります。
メリット3:羽毛ふとんが「長持ち」
ダウンの片寄りを防ぐため、ふとん全体のかさ高を維持しやすくなります。この掛け方をとり入れるだけで、羽毛ふとんをより長く、快適にお使いいただけます。
羽毛ふとんは高価な寝具だからこそ、その機能と寿命を最大限活かしたいもの。
今晩からでもすぐにできる、この方法をぜひお試しください。
きっと、羽毛ふとんのあたたかさと軽さ、快適さを再確認するのではないかと思います。
それでも改善しない場合は?
しかし、この方法を試しても使い勝手が改善しない場合もあります。
それは、お使いの製品そのものに問題があったり、既に羽毛ふとんが寿命を超えている可能性が高いです。
最近は、羽毛原料の高騰で、中わたのダウンの量を減らし、「ステルス値上げ」して販売している量販店なども多く見受けられます。ダウンの中わた量が、合掛ふとん程度(0.8kg~0.9kg)しか入っていなかったり、前述したような中わたのダウンの片寄りが起り、体に当たる部分のマス目のダウンが目減りしていてスカスカになっていたり、経年劣化によりダウンそのものが損傷してかさ減りしていたりすることがあります。
羽毛ふとんは、外から中身が見えない特性上、一般の方には非常にわかりにくい商品のため、残念ながら、商品価値と販売価格との差が不当に大きい商品や、表示と中身が異なる商品が市場に出回ってしまうことがあることも事実です。
上記のような使い方をしても改善しない場合、製品そのものに疑問を抱くサインかもしれません。
不安に思われたら、気軽に当店にご相談ください。
眠りを知る店 ふとん屋クガ 店主/たかむら

大阪市内“谷六”周辺で寝具店を営む昭和40年代生まれの店主。ふとん屋さんって入りにくい、暗い、怖い、一歩足を踏み入れたら押売りされそう…。そんなふとん屋のマイナスイメージを払拭させたいと思いブログをはじめました。ここでは寝具のことはもちろん、眠りのこと、そして、ときには商売とはまったく関係のない無駄話も…。^^ 夫であり、二児の父、ときにはイラストも描くふとん屋。気軽にお声がけください。
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