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『ゆびたこ』
「これでわいもおおきくせいちょうできるわ~しめしめや…」
とうとう買ってしまいました…『ゆびたこ』。
『ゆびたこ』とは、指しゃぶりがやめられない子どもたちのために描かれた絵本。
もうすぐ2歳半を迎えるせがれがなかなか指しゃぶりがやめられないため、この本を買いました。
指しゃぶりを続けると、前歯がせり出し、「出っ歯」になったり、「すきっ歯」になったり、後にマウスピース装着や最悪、矯正が必要になることもあるといいます。
もちろん、これまでも色々な方法をためしてきました。
指にカラシを塗ってみたり、特殊な器具を指に装着したり…。
しかし、ことごとく失敗、思い悩んでいたとき出会ったのがこの本でした。
物語は、小学1年生を迎える指しゃぶりがやめられない女の子の指に、ある日突然、【ゆびたこ】が出現し、しゃべりかけてくるというホラーめいたお話。
買ったその晩、さっそくせがれに読み聞かせると、効果てき面でした。
【ゆびたこ】が絶妙に薄気味悪く描かれており、こんな風に関西弁でまくしたててくるんですから、そりゃ~怖いはずです。
「あんたがいっぱい吸うてくれたから、こんなに成長できたわ。これからも、もっと指しゃぶりして、わいのこと大きくしてや〜」
女の子の妄想の中では、ゆびたこに足が生え、大きく成長し一家が襲われているシーンなども描かれており、トラウマにでもなりはしないかと心配するほどでした…。
「どや、ゆびたここわいやろ?」
「…こわい」
「このままゆびしゃぶりつづけたら、とうちゃんとかあちゃん、ハヤぼうもゆびたこにくわれてしまうかもしれへん。そうなってもええんか?」
「いやや…」
「ほんなら、チュッパッポィできるか?」
「うん… チュッパッポィ!」
「おぉ、やればできるやん」
しめしめと、心の中でほくそ笑みました。
せがれはよほど好奇心が強いのか、怖いものみたさか、読み終えると間髪入れず「もういっかい!」と、再三『ゆびたこ』を読むようにせがまれました。
これでやめさせられるんならお安い御用とばかり、辛抱強く繰り返すこと6回…。
たっぷり時間を掛け、より恐ろしくなるよう感情をたっぷり込めて。
その甲斐あってか、せがれは、「ゆびたこ、こわい…」と、うわごとのように呟きながら、寝息を立て眠り込んでしまいました。しかも、いつもは眠るときは必ずしている指しゃぶりもせずに…。
これでやっと卒業できる。嫁(様)と二人、ほっと胸を撫でおろしました。
ところが…。
翌朝、せがれを見ると、指はちゃっかり指定の位置、チュウチュウしているではありませんか…。
絵本を読んでるときはやめられるのに、目覚めるとリセットされるようです。
その度に嫁(様)と二人、【ゆびたこ】に成りすまし「これでわいもおおきくせいちょうできるわ~しめしめや…」などと関西弁で脅しますが、日に日に効果は薄れてきているような気が…、。。
今は長期戦を覚悟し、毎晩辛抱強く読み聞かせていますが、まだまだ指しゃぶりを卒業できる日はほど遠いようです。^^