©2023 Tani-Roku Futonya KUGA
「おとうさん おしごと おつかれさまでしたー」
往年の吉本の漫才師のごとく…
昨日、仕事から帰宅するとせがれがペコリと首を垂れ、「おかえりなさい、おとうさん、おしごとおつかれさまでした」と出迎えるので、思わず嫁(様)と顔を見合わせてしまいました…。
「……何か変なこと仕込んだか?」
そう訊ねると、自分は何も仕込んでないとかぶりを振る嫁(様)。
そんな言葉、どこで覚えてきたのかと訝しみながら腰をかけると、今度は近づいてきて「よしよし…」と僕の頭を撫で始めるではありませんか…。
ほんと、子どもは自分の知らないところでたくさん学び、日々成長していることに感心しつつも、せがれの言い回しが妙に【演技掛かっている】ところが引っ掛かりました。
最近は悪さして叱りつけても、上目遣になってか細い声で「ごめんなさぃ…」と、まるで劇団ひまわりの子役のような名演をします。しかし、言葉と裏腹に悪びれる様子もなく同じことを繰り返し、微塵も反省していないことは明らか…。
そもそも、同じくらいの子と比べてもせがれは、どこか【変】なんですよね…。
いわゆる関西で言うところのイチビリというやつで、この言葉はせがれのためにあるようにさえ思えてきます。
食べ物もヒジキやもずく、昆布、梅干しなどお年寄り好みで、時々、「はやとじい」と呼んでからかいますが、本人もまんざらでもないのか、おちゃらけてお爺さんのように腰を曲げ、ヨボヨボ歩く真似をしたりします(園の連絡帳に記載すると、園でも同じことをしているようです)。
また、白いごはんも大好物で沢庵とごはんがあればご機嫌、先日もチャーハンをつくって与えましたが、まったく手を付けようともしないので、やっぱり味覚も幼児とはかけ離れていると思い、「おいっ、はやとじい!」と呼び掛けると瞬時に「うん?」と反応。
やっぱり【はや爺】だと嫁(様)と大笑い。
すると、数秒置き「はやとじいちあうわっ!」と切り返してきました。
その間が往年の吉本の漫才師の如くあまりに絶妙だったので「今の聞いたか?3歳にしてノリツッコミしよったで…」と、思わず嫁(様)と顔を見合わせてしまいました。
9月に誕生した妹の影響でいわゆる【赤ちゃん返り】しているのか、間もなく迎える3歳の誕生日に何かねだろうと企んでいるのか、せがれはますます【変】という個性に磨きを掛けていっているようで、親バカでも大袈裟でもなく冷静にみても、奴は「芸人」以外の何者でもない、先天的に笑いの素質を持って生まれた逸材ではないかと思う今日この頃です。