©2023 Tani-Roku Futonya KUGA
「羽毛ふとんが欲しいと思っているんですが…」
気のいい親戚のお兄さん(おじさん!?)に訊いてみる気楽さで
先日、20代前半と思しき若者が、「羽毛ふとんが欲しいと思っているんですが…」と、突然、来店されたので、奥に通してご説明させてもらうことに…。
「学生さんですか?」と訊くと、「いえ、社会人一年生なんです」とのこと。
失礼ながら、若い方でそんなにお金も持っていないだろうと、うちでは5万円代から羽毛ふとんがあることを説明すると、やはり想定以上の値段だったようで、そこまでの予算は出せそうもないとのこと…。
それでもそまったく物怖じすることなく、こちらの話に興味を持って聞いてくれるので、ダウン率だけで羽毛ふとんの良し悪しは決まらないこと。いわゆる裾物と呼ばれる羽毛ふとんは、夾雑物(きょうざつぶつ)と呼ばれるゴミを丁寧に取り除かれていないこと。綿ポリと呼ばれるポリエステルと綿の混合生地やポリエステル生地でつくられて汗を吸わず、本来の羽毛の良さを殺してしまうこと。また、寒くて眠れないなら、掛寝具より敷寝具の見直しを考えた方がいいことなどをご説明すると、「何も買わないのに、勉強になりました。ありがとうございます」と、丁寧なお礼の言葉を残し、気持ち良く帰っていかれました。
こちらも敷居の高いふとん屋にわざわざ足を運び、臆することなく足を踏み入れ、こちらの話を興味深く聞いてくれたことがとても嬉しく、とても好感の持てる青年だったので、清々しい気持ちになり、遠ざかっていく背中に「頑張れ、社会人」と、そっと心の中でつぶやいたのでした。
ふとん屋って、一度足を踏み入れたら強引な売込みをされ【買わされる】、何も買わなかったらバツの悪い思いをするんじゃないかと考える人がけっこういるようですが、当店はもちろん、世の中のふとん屋さんの多くは、決してそんなことはありません。
新しいまくらが欲しい、敷ふとんが欲しいなど明確な目的がある場合はもちろん、未だ買うかどうかもわからないけど、疑問があることをちょっと聞いてみたいくらいの軽い気持ちでも大歓迎です。
専門店は会話が命、キャッチボールができるからこそ専門店たる所以と当店は考えています。
まぁ、気のいい親戚のお兄さん(おじさん!?)に訊いてみる気楽さで、寝具のこと眠りのこと、何でも相談ください。^^