かえってあたたかく眠れません

これからの季節、厚手のジャージやスウェットなどの部屋着でおやすみになる方が増えていきます。

厚手のものの方が当然、あたたかく眠れると思いがちですが、実はこれ、返ってたたたかく眠れないため、我々ふとん屋間ではNGな寝方とされていることのひとつです。

なぜ、あたたかくないのか、理由は２つ。

❶生地が分厚くなる分、体温がふとんに伝わりにくくなる

❷化繊生地でできているので、衣服の中がムレ、夜中に体が冷えてしまう

そもそもふとんがあたたかいのは、「体温がふとんに伝わる」からで、「ふとんがあたたかいわけではない」のです。ジャージやスウェットなどは、厚みがあって体温が寝具に伝わりにくく、返ってあたたかく眠れなくなります。

また、ジャージやスウェットなどは化繊素材でできているため、汗を吸わず、衣服の中が寝汗でムレてしまい、夜中に体が冷える原因となります。

じゃあ、どうしたらいいのか？

断言しますが、もっともあたたかく眠る方法は裸で寝ることです（ただし、これは寝床の中にすきま風が入らないことが条件となります）。

事実、北海道や東北では、寝冷え予防の観点から、江戸～明治時代頃まで裸で寝る習慣があり、一部地域ではその習慣が残っているところもあるといいます。

今でこそ、暖房器具の普及や生活様式の変化で徐々に廃れていきましたが、裸で寝ると、体温がふとんにダイレクトに伝わり、ゴムなどで血流を妨げないため、一番あたたかく寝れます。

僕も実際やったことがありますが、裸で寝ると、どんなに寒い朝でも朝、バッとふとんから出られ、床離れが最高に良くなります。体感的には血流が妨げるものがなくなることで、毛細血管まで血の巡り、皮膚の表面温度が高くなるせいではないかと考えています。

ただ、防犯上、防災上に問題が生じることと、皮脂で寝具が汚れやすくなるなどのデメリットもあります。また、パートナーが傍らで寝ているような方には、妙な気を起こしたのではないかと勘違いされる可能性もございますので、女性の方には強くはおすすめしません…。^^

普通の方は、綿などの天然素材でつくられた、できるだけ薄手の生地のパジャマをお使いになることをおすすめします。

そもそも、ジャージやスウェットなどは部屋着であって、就寝用につくられたものではありません。面倒でも就寝前にパジャマに着替えることで「これから寝るぞ～」という気持ちの切り替えが行えます。

眠るときは部屋着ではなく、是非、パジャマをご活用ください。